特殊車両通行許可の取締りについて
特殊車両通行許可を受けずに通行または許可条件に反して特殊な車両を通行させた者・道路監理員の命令に違反した者などに対して、罰則を規定していることはもう確認しましたが、その罰則に違反する者に対して、実際に道路で取締りも行われています。
また、車両の通行の制限について(通達改正)平成25年3月1日より、取締が厳しくなります。
特殊車両の通行に関する指導取締要領の改訂
① 取締基地における取締りの実施
② 自動計測装置による計測
③ 繰り返し特殊車両を違法に通行させた者等に対する措置
・ 行政指導
・ 行政指導内容の公表
・ 許可の取消し
・ 告発
④ 行政処分等の発出基準の制定(国交省管轄道路)
【警告書の発出基準】
・ 軸重20トン超過 2回/1ヶ月以上の違反
・ 軸重20トン以下 20回/3ヶ月以上の違反
【公表基準】
・ 現地取締 是正指導の累積 3回で公表(一回の警告を含む)
・ 自動計測装置 是正指導の累積 4回で公表
【公表方法】
国土交通省ホームページに1年間掲載
掲載後1年以内に再び違反した場合はその月から1年間継続掲載
⑤ 特殊車両通行許可の取り消し
・ 死亡事故が発生した場合
⇒ 「死亡」とは交通事故によって発生から24時間以内になくなった場合
・ 重傷事故が発生した場合
⇒ 「重傷」とは交通事故によって負傷し、
1ヶ月(30日)以上の治療を要する場合
複数の負傷者がある場合は、加療日数の合計が1ヶ月以上の場合
・ 道路の損壊に係わる重大な事故
⇒ 事故が起きた道路が全面通行止めの規制を6時間以上行った場合
・ 常習的な違反を繰り返す場合
⇒ 公表したにも係わらず再び違反行為が行われた場合
取締り基地による行政指導の流れ
取締り基地による取締りは、道路脇に設置された“指導取締基地”に、車両を引き込み、重量・寸法の計測を行い、法令違反者には措置命令や指導警告を実施します。
取締り基地による取締りの流れは下記のとおりになります。
① (1回目)車両制限令違反 ⇒ 通行の中止または軽減措置の命令
↓
・ 警告(①の違反に対して) ⇒ 事業者あてに文書及び電話で行政指導
↓
② (2回目)車両制限令違反 ⇒ 通行の中止または軽減措置の命令
↓
・ 警告(③の違反に対して) ⇒ 事業者あてに文書で行政指導
↓
・ 是正指導 ⇒ 国道事務所にて対面で行政指導
③ (3回目)車両制限令違反 ⇒ 通行の中止または軽減措置の命令
↓
・ 警告
↓
・ 弁明の機会
↓
・ 是正指導
↓
・ 公表 ⇒ 地方整備局HP等において、是正指導内容を公表
車両重量自動計測装置による行政指導の流れ
走行中の車両で、基準を超える重量等を自動的に計測し許可の有無等を判定します。
結果、違反走行を繰り返す事業者に対しては、指導警告を実施します。
車両重量自動計測装置による取締りの流れは下記のとおりになります。
① (1回目)車両制限令違反 ⇒ ・軸重20t超:2回/1ヶ月
・軸重20t以内:20回/3ヶ月
↓
・ 警告 ⇒ 事業者あてに文書で行政指導
↓
・ 是正指導 ⇒ 国道事務所にて対面で行政指導
↓
② (2回目)車両制限令違反 ⇒ ・軸重20t超:1回/1ヶ月
・軸重20t以内:20回/3ヶ月
↓
・ 警告
↓
・ 是正指導
③ (3回目)車両制限令違反 ⇒ ・軸重20t超:1回/1ヶ月
・軸重20t以内:20回/3ヶ月
↓
・ 警告
↓
・ 是正指導
④ (4回目)車両制限令違反 ⇒ ・軸重20t超:1回/1ヶ月
・軸重20t以内:20回/3ヶ月
↓
・ 警告
↓
・ 弁明の機会
↓
・ 是正指導
↓
・ 公表 ⇒ 地方整備局HP等において、是正指導内容を公表
悪質な重量制限違反者への告発(レッドカード)について
※ 平成27年2月23日実施 新規格車等の単車も対象です!
道路橋の劣化に与える影響の約9割は0.3%の重量を違法に超過した大型車両が占めていて、一部の違反車両が道路を劣化させる主要因となっています。
軸重20トン車が道路橋に与える影響は、軸重10トン車の約4000台に相当します。
【告発対象者の条件】
車両総重量の一般的制限値(国管道路は最大27t)を基準とし、下記に該当する場合には、
当該総重量違反の事実をもって告発(レッドカード)の対象とします。
車両総重量が「基準×2」以上の車両
※ 特殊車両通行許可取得車両は、「基準×2+(許可総重量-基準)」
【無許可でのレッドカード例】
基準(27t)×2=54t ⇒ レッドカード条件:「総重量54t以上」
※ なお、車両総重量が基準の2倍に達しない場合にあっても、車両総重量違反が現認された場合には、積載物の軽減措置、通行の中止等を命ずるとともに、是正指導が行われることがあります。また、常習的に違反が行われていることが確認された場合にあっては、現行通達に基づいて告発の対象になることがあります。
【告発による罰則】
道路法102条(無許可)により、100万円以下の罰金 等
貨物自動車運送事業輸送安全規則改正に伴う処分等の流れ
※ 平成27年3月1日実施
道路法第47条第2項の規定に違反し、又は道路法第47条の2第1項の規定により道路管理者が付した条件に違反して重量制限等違反車両を通行させた者に対しては、道路管理者が措置命令(通行の中止、総重量の軽減など)等を行い、後日トラック事業者に対して警告・指導等が行われる。加えてくり返し違反を行う等の悪質な事業者に対しては、トラック事業法に基づく行政処分を科すこととなります。
一定期間内に違反を繰り返す者の処分の流れは下記のようになります。
【例①】
是正指導の呼出に応じたが、再度違反を行い、措置命令・警告を3回受けた者
① 地方整備局等のHPに公表
↓
② 公表した旨の通知
↓
③ 地方運輸支局等による監査を実施
↓
④ トラック事業法に基づく行政処分
【例②】
違反により、措置命令・警告を繰り返し受け、または是正指導の呼出に応じない者
① 立入実施等の通知
↓
② 道路管理者が地方運輸支局と合同で事業者に立入検査
↓
③ トラック事業法に基づく行政処分
【例③】
違反により、措置命令・警告を繰り返し受けた者
① 道路法違反の通知
↓
② 地方運輸支局等による監査を実施
↓
③ トラック事業法に基づく行政処分
【例④】
過積載により都道府県警察に取り締まりを受けた者
① 取締基地等での違反
↓
② 運転手に対する行政処分等(反則金納付等)
↓
③ 道交法違反の通知
↓
④ 地方運輸支局等による監査を実施
↓
⑤ トラック事業法に基づく行政処分
〈過積載〉
貨物自動車運送事業者がトラック事業法の規定に違反し過積載した場合の行政処分等の基準について、過積載の程度に応じて、5割未満であれば、初違反を10日車×違反車両数、再違反を20日車×違反車両数としている。
〈道路法違反〉
貨物自動車運送事業者が道路法の規定に違反した場合の行政処分等の基準について、初違反を10日車とし、再違反を20日車とする。